A1明朝風に変える方法 前編

フォントを買うという行為は、よっぽどの必要性がないとしないことです。僕はこれまでにふたつのフォント(A1明朝まるみん)に合計8万円近くの投資をしました。お金のない学生にはハードルが少々高いかも。でも買うことが難しいならば、作ればいいのでは?フォントの特徴をとらえることができたなら、自作する(似せて作る)こともできるのでは?

今回はPCにデフォルトでインストールされているフォントを使って、広告業界で引っ張りだこのA1明朝に似せたものを作ってみようかと思います。A1明朝を作ることは不可能に近いですが、A1明朝の特徴をとらえたA1明朝風のフォントを作ることならできるはず。なお、今回の方法は主にキャッチコピーなどの文字数の少ない場合にのみ有効かと思います。ボディにこれを適応しようとすると結構キツいんじゃないかな。
そもそもA1明朝の特徴とは、何なのか?公式HPによると…
「A1明朝」は、モリサワ最初期から長く愛されているオールドスタイルの明朝体です。漢字のゆったりとしたカーブと、かなの優美な表情が生み出す独特の味わいが特徴です。デジタル書体化にあたって、画線の交差部分に写植特有の墨だまりを再現するなどし、やわらかな印象と自然な温かみを感じさせる新しい書体として生まれ変わりました。可読性にも優れているので、ニュアンスを活かした大きな見出しから本文まで幅広く活用することができます。株式会社モリサワ
要するに「フォントの形状」と「写植の墨だまりを表現したカーブ」です。最初の「フォントの形状」はA1明朝特有のものですから再現は難しいです。しかし「写植の墨だまりを表現したカーブ」、これはなんとかいけそうですね。つまりA1明朝風とは「写植の墨だまりを表現したカーブ」を再現することでした。

用意するのは、小塚明朝 Pro R なんかいいじゃないでしょうか。
解説の便宜上、大きさは50ptでやりたいと思います。
まずは、フォントをアウトライン化。そして、いきなり本題のカーブの再現へ。
フォントを選択した状態で、オブジェクトメニュー>パス>パスのオフセット…
パスのオフセットでは、オフセットの値の分だけパスの縁を拡大・縮小しれくれます。オフセットの値はプラスマイナス1/10000mmの精度で入力可能です。その他のオプションとして、角の形状、角の比率があります。角の形状には「マイター」「ラウンド」「ベベル」があります。角の比率はデフォルトのままで構いません。
これを複数回使って、A1明朝のカーブを表現します。具体的な方法は…次回!!