参りました、とか簡単に

2年前、何かを作るわけでもなく、ただひたすら人と比べてばかりの時期があった。
インターネットを検索しまくって美大生や専門学生なんかのサイトやSNSでアップしてる作品をひたすら見て、年上か年下かチェックして、すごいと思ったらブログも全部見て、みたいなことをただひたすらに。
井の中の蛙になりたくなくて、でも自尊心もそこそこにあって。
もちろん何も作ってなかったわけだから、何も進展なんかしなかったんだけど、その時期の成果はあって、次からの加速度につながったのは確かだ。

で、今またそんなことしてるような、でもさすがに今回は作りつつじゃないと焦りが拭い去れないような、フワフワしている。
思えば2年前とは状況が違う。あの時は就職先が決まってなかったし、すごいヤツはすごい所に入っちゃうという危機感があったと思う。(今にしてみれば場所なんて全ては自分がどうかと割り切れるわけだけど)

そして納得できるところで働けるチャンスを掴んだ今、なんであの時と同じことをしているんだろうか。やっぱり目的が変わったんだと思う。その目的も明らか。

親に話したことがある。
自分は変な業界に就職するのかもしれないと。
就職した後にどこどこのアイツがすごいらしいとか噂になって、時には雑誌に載ったりする。
仮に銀行員だったらそんな話は絶対にないでしょ?あの支店のアイツはすごいらしいとかさ。

そしたら。
そうだけど、そういうのでやってくって決めたんだし、それが好きなんでしょ、と。

確かに。
常に比べられて晒されて。もちろんそのために作ってるわけじゃないけれど、そういう指標からは逃げられないところに行くのかと他人事のように確信した。

ちなみに。
インタビューなんかで「自分よりできる人たちなんて全然いっぱいいて、やっぱり自分はそこには敵わないなって気付いちゃったんです。でも、じゃあその人たちを支えるような何かになりたいなって思ったんです」みたいなのを見ると胸くそ悪くて嫌気がさす。間違ってるとは思わないし適材適所はあると思うけれど、自分はそんな簡単に諦めたり踏ん切りをつけることはできない。
そういえば、昔から裏方に徹したがるヤツが嫌いだった。パフォーマー以外は裏方とは思ってないのも事実だけれど。

ちなみに。
すごいと感じた時、恥を忍んで会って欲しいとお願いしてしまうほどの魅力があると思っていた。現にそうしたことは何度もある。
けれど本当に完敗してしまうと、むしろ何も手出し出来なくて気安く会ったりしてはダメな気がした。太刀打ちできるようになるまでは、再び見るのも嫌になるほどの畏怖があるんだと今知ったところ。