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NHK特番の宮﨑駿のやつ見てたが、「後継者育てたけどスタジオが才能を食っちゃう」とか「こいつに任せたいってやつがいなくなった」的な宮﨑駿の言葉とか聞くたびに、宮﨑駿の定義する後継者ってジブリ映画の後継者ってこと限定で言ってんのかな〜って、絞り具合が捉えにくい印象がある。

庵野も前田も吉田も…って、そういうのは、結果論として広義で「後継者」になったってのは違うんすかね。そこらへんがいつも謎。

要は正統継承者は一人も生まれなかったけど、破門同然に去っていった人達がゼロ年代くらいまでの現代良作アニメ作って来たって考えをしたら、めちゃくちゃ生産性の良い後継者製造スタジオじゃないのっていうのが、いつも謎なんす。ってか宮﨑駿ってどれくらいのアニメまでなら見てんのっていうのが、そもそもの最大の謎。

ところで、桜井和寿と伊集院光の対談があって、桜井は「アルバムの売上は前作のアルバムの功績だと思っている」的なことを言っていた気がする。

もし良い制作会社の定義を問われたら、同じような構造で考えるのが自分の中ではしっくりきている。単純に会社のしてきた仕事の表面的な所では本質ではないように思うし、また業務状況や経営理念などは透けて見えるものでもない。だから、その会社から独立した人の質と数を見ることが、自分の中の会社の評価になっている。

そういう視点のみでいうと、下っ端の制作人員の入れ替わりだけは激しく新陳代謝だけを維持しながら成り立って高いアウトプットを出している会社も別に悪くないけど、そのシステムだとどんな巨匠だっていつかはジリ貧になるってことを冒頭のNHK特番を見ていて感じた。

ただまぁ、正統継承者を作るってのは、やっぱ伝統芸能とかに対して一般的に求められる要素である「守る」とか「保つ」とかいうことだろう。その点、アニメやデザインみたいに、時代を反映したり或いは先行していくものに求められるものは、良くも悪くも流行な部分や更新していくことにだいぶ比重があると思う。だから、そういうフィールドに正統継承者って概念はどうなんすかね。そういった諸々のことと向き合ってない経営者なんて多分いないんだろうし、ことデザインでいえばその制作スパンと流行り廃りの移り変わりの中で、なかなか後世のためというスタンスで雇ったり育てたりってのは難しいんだろうな。